文様で旅する古今東西

JUGEMテーマ:アート・デザイン

 日本の美術大学でいわゆる日本の陶芸を学び、卒業後7年ほど日本の食器メーカーのデザイン部で和食器や洋食器のデザインを手がけました。その後イタリアへ渡り2年ほどイタリアの陶芸を学び、帰国して自身の工房のを開いたのが1998年。それからずっと、イタリアで学んだMaiolica(マジョリカ焼)をベースに制作活動と教室をやっています。

 

 始めた頃は、イタリアでなくちゃという力みもあったかも知れません。イタリアのパターンや色合いを意識して「イタリアっぽい」ものを作っていたように思います。その頃、今から19年前はまだ日本でイタリアのMaiolicaをやっている方がほとんどいらっしゃらなく、材料も資料も自身でイタリアに買いに行くか取り寄せるしかなくて、年に3〜4回はイタリアへ買い出しに行っていました。大変でしたがそれがまた面白く、ますますイタリア陶器にハマりました。

 

 

 

 

 

 

 

 イタリア陶器の伝統的なパターンは興味深く、そこには地方性がはっきりと見られることから、イタリア陶器を研究するとその土地の歴史や地理が読み取られ、イタリアの今と過去を旅しているような気持ちになります。

 

 その伝統的なパターンに魅せられている頃に、お世話になっている方からお声をかけて頂き、ハイアット リージェンシー 東京にて個展を開催させて頂きました。

 2012.11.20〜2013.1.31 

 〜イタリア陶器に見るイタリアの地域〜

 http://www.la-ceramica.com/news/1612/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮ポット

 この個展を終えてから、イタリア陶器のパターンへの興味はさらに拍車がかかり、調べていくとイタリアの古典的なパターンと思っていたものの多くがイスラムや中国を発祥としていた事を知り、パターンそのものに興味を抱くようになりました。

 そんな時、大学で学んだ日本の古典柄と言うものの記憶が沸々と湧いて来て、面白くて面白くて・・・。

 

 昨年12月に、グループ展に参加する事になり、何を作ろうかなぁ思った時に、イタリアとかマジョリアとかの枠を気にせず好きなようにやっちゃおう、と思い制作したのがこちらです。 

 

 富士山、めで鯛、蓮、そして、青海波文様。この青海波文様、おめでたい柄として器や着物にも良く使われ、日本の古典模様と思われていますが、辿っていくとペルシャ・ササン朝様式の文様が中国を経由して伝わったものです。同心の半円を重ねた単純な模様ですが、描いてみると、その間隔や大きさでどのような空間にも綺麗に配置出来る素晴らしい文様です。

 

 文様(パターン)一つで古今東西旅が出来る! 今年もいろいろなところへ旅して作品を作っていきたいと思います。

 

| 陶器のおはなし | 16:08 | comments(0) | - | ↑TOP -
イタリアの諺
カーリチェ

鎌倉近くの長谷、オルトレヴィーノさんでイタリアワインの生産者を迎えたワイン会があり、参加した際のこと。その生産者が「横浜のイタリアワインのショップに飾ってあるお皿が、すばらしかった」と。「え!そのお皿作ったのは私です」制作してから5年以上経っているので、忘れていた訳ではないのですが・・・ほぼ記憶の彼方に。
「IN VINO VERITAS」その意は、「真実はワインの中に」という古くラテン語にもある諺です。ワインを飲んで本音を語ることが出来ることをいうのか、キリスト圏ならではのワイン=キリストの血という解釈も混ざっているのか・・・。
この諺をモチーフにした作品はいくつか作りましたが、これは記念すべき第1作。カーリチェにいらっしゃる際にはぜひご覧になって下さい。
http://www.il-calice.jp/
| 陶器のおはなし | 23:35 | comments(0) | - | ↑TOP -
新しいカップ&ソーサー
  津波警報が出され、葉山はまさに陸の孤島。バスも電車も運休で、どこにも出られない一日でした。テレビでは津波警報がかなり大きく報道されたらしく、母や友人から「横浜に避難したら!」とあいついで電話やメールが・・・しかし、時既に遅し、車以外は交通手段がありませんでした。
 住まいは海に近いものの少し高台なので、家から出なければ大丈夫と、地元のラジオ局を聞きながら、ドキドキと2時を迎えました。
 窓から様子をうかがっていると、子供は走り回っているし、犬のお散歩という人も! なんともノンビリしているというか、危機管理が少ない町民気質かもしれません。

 我が家も2時半をすぎるとすっかりリラックスムード、お茶でもと・・・ニューカマーのカップ&ソーサーを出してほっと一息。
ニュージーランド陶器
 これはニュージーランドの手描きの陶器です。葉山、堀内にあるニュージーランドの陶器や雑貨を扱うSunnyday Sundayさんで購入しました。鮮やかなセルリアンブルーと赤に一目惚れ、すごく綺麗なんですよ。少しぽってりしていて愛らしい形も気に入って。
 私自身、陶器の仕事をしていて、食器は売るほどあると言うのに! 綺麗な色の食器や形がユニークなものを見つけると、つい手が出てしまいます。葉山の家と横浜の家の食器棚を埋めつくし、おまけに倉庫までかりていると言う食器の数。100人分のディナーは軽くまかなえる数です。いつか、友人たちを誘って食器のお披露目と虫干し(?)を兼ねた100人ディナーを企画しようかと考えるこの頃です。
 
Sunnyday Sunday・・・リンクの欄をご参照下さい。 

| 陶器のおはなし | 04:19 | comments(0) | - | ↑TOP -
Tanti Auguri ! 2009
 新しい年を迎えて早くも1ヵ月がたちました。新年に抱いた抱負、いまだ歩み出せぬまま模索状態の私で、ちょっと情けなく思うこの頃です。
 が、旧暦で行こうとなんとも楽天的に気持ちを切り替え、ここ2〜3日は精力的に仕事をしております。3日坊主にならないよう・・・しっかりしなきや。

 2009年の書き初めはこれです!!
20091/2??
 昨年秋から社会的に暗い話題が多く、教室の生徒さんからも明るく元気が出る絵皿を作りたいとの希望が出ていたので、こんな時こそ前向きにと、そんな思いで描きました。
 南イタリアの風景、太陽と海と緑・・・豊かな自然をモチーフにしたデザインです。鮮やかな下絵の具を用いて、白いラインはディメンショナルグレーズというもので盛り上がるように仕上げてあります。

 2009年のモットーは、『何ごとも明るく、楽しく、ひたむきに』です。今年も教室の活動、制作活動をより充実させ、同時に展示会、イタリアをテーマにしたセミナー&パーティーなど楽しいイベントも企画していきたいと思います。
 どうぞよろしくお願い致します。
| 陶器のおはなし | 18:00 | comments(0) | - | ↑TOP -
気長に待つこと4ヵ月
 ブログデビューして一ヵ月、やっと陶器のお話が書けます。プロローグ
には「イタリア陶器を入り口に・・・」と書いておきながら、いったいい
つになったらその入り口の話を書くのかとあちこちからご指摘をいただき
ました。
 手始めに美味しいもののお話を、と思ったら次から次とそちらの方へと
進んでしまいまして。本日やっと書けます。ではなく、書きますですね。

 イタリアは日本と同じように緯度が南北に伸びている国土。北はヨーロ
ッパ・アルプスに接し、南は地中海に面しています。そのため各地方ごと
に風土が様々で、それ故に食べ物や文化にもかなりの違いが見られます。
 また、イタリアはわずか130年程前まではそれぞれが独立した小国家
の集合体だったため、各地方が独自の歴史と文化を持ち、それが現在にも
個性として継承されています。
 
 それは陶器にも言えることで、各地方の陶器はそれぞれ個性が際立って
いてとても興味深いんですよ。以前イタリア滞在中にのべ4ヵ月程かけて
北から南までイタリアの陶器の街をまわったことがあるのですが、改めて
「イタリアは今もなお小国家の集合体だなぁ」と肌で感じました。
 これらの陶器の街のお話は、またのち程、少しずつご紹介したいと思い
ます。

 今日は陶器の仕入れに関する壮大な?ストーリーをご紹介します。
 南イタリアの陶器の街ビエトリから8月にビスク(素焼き)が届き、今
いろいろと制作中なのですが、この輸入に関してはいつになく大変でした。
 詳しくは南イタリア陶器を紹介している「SALONE」のホームページ(リ
ンク集を参照)ここの店長である白井さんのブログ「タカリーナ・ブログ」
2008/09/01をご覧下さい。

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 今回どうしても欲しいとご要望くださったお客様は、雑誌の写真を見て
ご注文されたのですが、無事納品後、「実物のがずっといい!嬉しいです、
ありがとう」とコメント下さいました。
 4ヵ月、諦めず試行錯誤した甲斐がありました。
 関係者の皆々様、ほんとうにありがとうございました。・・・お疲れ様
でした。思い出せば長〜い夏でしたね。
 
| 陶器のおはなし | 12:32 | comments(0) | - | ↑TOP -
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